「事故にあって修理見積もりしてもらったけど、思っていたより高かった…」
「車の調子が悪くて動かないから新車に買い替えたい…」
そんなとき、選択肢として考えられるのが「廃車」ですよね。
乗らないのにそのままにしてしまうと、車の保険料や税金だけを支払うことになってしまうので、できるだけ迅速かつ確実に手続きしたいものです。
そこで今回は、廃車する際の手続きの流れや必要書類、実際にかかる費用についてご紹介します!
まずは廃車の種類について見てみよう!
廃車の種類
みなさんは「廃車」と聞くと、何を思い浮かべますか?
廃車は、車を「解体処分する」という意味ではなく、「車籍を抹消して公道で走れないようにする」ことです。
車の登録情報を消すことで車の戸籍(車籍)が失われ、廃車となります。
そのため、車検が切れて乗らなくなった車を放置したり解体するだけでは、廃車にしたとはいえません。
書類による正式な手続きを完了し、車籍を抹消してはじめて廃車となるのです。
永久抹消登録
永久抹消登録とは、車の解体を前提にした廃車のことを言います。
この手続きを行うと、二度とその車を使用することは出来ません。
修復できないほど壊れてしまった事故車や、台風や地震などの自然災害による水没車、故障車、また老朽化や過走行による経年車など車を処分したい場合に永久抹消登録を行います。
自然災害などで車が流されてどこにあるのか分からない、というような回収不能車の場合もこれに含まれます。
使用しない車をそのまま放置・保管するという選択肢もありますが、永久抹消登録を行わないと、毎年の自動車税を支払い続けなくてはなりません。
なお、永久抹消登録の手続きは、車の解体が完了してから15日以内に行う必要があるため、自分で手続きを行う場合には十分注意しましょう。
一時抹消登録
一時抹消登録とは、普通自動車を「一時的に廃車する」ことを言います。
海外出張などで長期間車を使用しない場合や、盗難に遭ってしまった場合でも、登録情報を抹消していなければ自動車税や保険料は発生します。
このような場合は、一時抹消登録を行うことで、抹消している期間中の自動車税を一時的にストップすることができるのです。
永久抹消登録を行った場合は再びその車に乗ることはできませんが、一時抹消登録では「中古車新規登録」という再使用の手続きを行うことで再び公道を走ることができます。
もう一度乗る可能性のある車であれば永久抹消登録ではなく、一時抹消登録を行うとよいでしょう。
※「一時抹消登録」は普通自動車での名称。軽自動車の場合は「一時使用中止」と呼ばれ、手続きする場所などが多少異なります。
詳しく見てみよう!
廃車手続きに必要な書類
永久抹消登録と一時抹消登録のどちらの手続きをするかで、廃車手続きに必要な書類が異なります。
それぞれ詳しく見てみましょう。
永久抹消登録に必要な書類
永久抹消登録を行う際は、次の書類が必要です。
永久抹消登録に必要な書類
- 車の所有者の印鑑証明書 (※発行から3ヵ月以内のもの)
- 車の所有者の委任状 (所有者印鑑証明書と同じ実印があるもの)
- ナンバープレート (前面と後面の2枚)
- 車検証(自動車検査証)
- 「解体報告記録がなされた日」と「移動報告番号」(メモで可)
- 手数料納付書
- 永久抹消登録申請書
- 自動車税・自動車取得税申告書 (不要な地域あり)
また、次のような場合は上記に加えて別途書類が必要です。
車の所有者以外が手続きに行くとき
委任状が必要です。
車検証の「所有者」の住所・氏名が印鑑証明書と異なるとき
住所が異なる場合
住民票(発行から3ヵ月以内のもの)
氏名が異なる場合
戸籍謄本(発行から3ヵ月以内のもの)
車検が1ヶ月以上残っているとき
重量税還付のために以下の書類が必要です。
- 所有者の個人番号カード(通知カード、もしくは個人番号の記載がある住民票のコピー)
- 重量税還付金を受け取る人の金融機関情報 (銀行名や口座番号など)
- 重量税還付金を受領する権限に関する委任状(所有者の署名と押印が必要)
※代理人が申請する場合は、代理人の身分証明書と印鑑も必要ですので忘れずに準備してください。
一時抹消登録に必要な書類
一時抹消登録を行う際は、次の書類が必要です。
一時抹消登録に必要な書類
- 車の所有者の印鑑証明書 (※発行から3ヵ月以内のもの)
- 車の所有者の委任状 (所有者の押印(印鑑証明書と同じ実印)があるもの)
- ナンバープレート (前面と後面の2枚)
- 車検証(自動車検査証)
- 「解体報告記録がなされた日」と「移動報告番号」(メモで可)
- 手数料納付書
- 一時抹消登録申請書
- 自動車税・自動車取得税申告書 (不要な地域あり)
廃車するための3つの方法
廃車する方法として、
- 自分でする
- ディーラーに依頼する
- 廃車買取業者に依頼する
こちらの3つが考えられます。
それぞれメリット・デメリットも踏まえて詳しく見てみましょう。
自分で廃車手続きする
メリット
- 廃車手続き代行費用を節約できる
- 個人情報を守れる
デメリット
- 解体業者や陸運局などに足を運ぶ必要がある
- 平日に手続きしなければならない
- 引取り・解体費用は別途かかる
自分で廃車手続きをする場合のメリットは、ディーラーなどに廃車依頼したときに発生する廃車手続き代行費用を節約できるという点です。
ディーラーに依頼すると手続き代行費用だけで1万円程度請求される場合が多いですが、自分で手続きをすればこの代行費用はかかりません。
また、手続き自体を自分で行うので個人情報を業者に渡す必要はありません。個人情報の扱いが気になる場合は、自分で手続きをするのが確実に守る方法です。
デメリットとしては、時間や手間がかかるということが挙げられます。
自分で廃車の手続きを行う場合は、
- 必要書類を集める
- 解体業者を探してナンバープレートを外してもらう
- 管轄の運輸局にナンバープレートを返却する
- 管轄の運輸局に申請書を出す
- 解体業者に解体を依頼する
これらの5つのステップが必要です。
また、ディーラーに廃車依頼した場合の手続き代行費用は節約できますが、結局のところ車の解体は業者に依頼しなければなりませんので、引取り費用や解体費用は別途必要です。
ディーラーに廃車依頼する
メリット
- ディーラーが全て手配してくれるので安心
- 車を乗り換える場合は、納車に合わせて廃車してくれるためスムーズ
デメリット
- 廃車費用が高くかかる
- 廃車する車には値段がつかない
ディーラーに廃車依頼する場合のメリットは、やはり安心して任せられるという点です。
しっかりとした店舗や工場を構え、コンプライアンスを重視する自動車ディーラーだと、手続き代行や解体業者の手配、個人情報の取扱いも任せることができます。
さらに、ディーラーに出向けば担当者が対面で対応してくれますので、分からない点があれば直接質問できて安心ですよね。
また、車を乗り換える場合は納車時に車を引き取ってくれるなど、スムーズに乗り換えられるように手配してくれます。
デメリットとしては、廃車費用が高くかかってしまう点が挙げられます。
ディーラーは解体など廃車作業に必要な費用だけでなく、手続き代行費用も請求するのが一般的です。
自分で廃車手続きをすればこの代行費用はかからないので、なんだかもったいない気もしますよね。
また廃車の場合、ディーラーは廃車予定の車を買取ってくれることはほとんどありません。
新車・中古車を扱うディーラーにとって、廃車予定の車(事故車・水没車・年式の古い車・過走行車など)はほとんど利益が出ないためです。
ですので、ディーラーに廃車依頼した場合は、出費はしてもお金がプラスになることはほとんどないようです。
廃車買取業者に依頼する
メリット
- 廃車にかかる費用はすべて無料
- 廃車予定の車に値段がつくこともある
- ネットから頼んで必要書類を準備するだけで廃車が済むため、手間がかからず時間に縛られない
デメリット
- 廃車買取業者とのやりとりは、対面ではなくほぼ電話かメールで行うことになる
- 成約後のキャンセルでキャンセル料がかかる場合もある
廃車買取業者に依頼する場合のメリットは、廃車に関する費用が一切かからない点です。
手続き代行料、解体費用、さらにはレッカー引取り料など、すべて無料で行ってくれる廃車買取業者は今とても多いです。
実際に利用した方の口コミを見ても、「無料で廃車できて良かった」という声がかなり多く見られます。
また、廃車買取業者だと廃車予定の車に値段がつくこともあります。
だから事故車でもパーツを取り出して利益にできるから、どんな車でも買い取れることが多いんだよ!
また、廃車買取業者に依頼するのは一番手間のかからない廃車方法と言えます。
ネットから申し込んで必要書類を準備すれば、あとは業者が引き取りから手続き、そして車両解体まで一貫して行ってくれるので、一番手間がかからないのです。
廃車買取業者に依頼する場合のデメリットは、業者とのやりとりがほぼ電話かメールになるということです。
ネットの廃車買取業者は、本部で申込みを受けて自宅近くの担当業者(提携会社)に引取りを指示するシステムになっているのがほとんどです。
そのため、引取日や必要書類の打ち合わせなどは電話かメールで行わなければなりません。
また、業者によっては成約後のキャンセルにはキャンセル料がかかることもあります。
廃車買取業者はかなりスピーディに動いてくれますので、成約した後は引取り時の人員やレッカー車の確保をします。
成約後にキャンセルすると業者側に損害が出てしまいますので、成約後のキャンセルはキャンセル料がかかることがあるのです。
廃車することや依頼する業者が決まっていない場合はキッパリと断わることが大事だよ。
費用や時間を見てみよう!
廃車手続きにかかる費用と時間
廃車手続きにかかる費用と時間は、
- 自分で廃車手続きする場合
- ディーラーに依頼する場合
- 廃車買取業者に依頼する場合
こちらの3つ方法で異なります。
それぞれ詳しく見てみましょう!
自分で廃車手続きする場合
自分で廃車手続きをした場合、おおまかに以下の費用・時間が発生します。
内訳 | |
---|---|
費用 |
合計:32,000円~62,000円程度 |
時間 | 実働:1~2日 廃車完了まで:約1~2週間 |
ディーラーに廃車依頼する場合
ディーラーに廃車依頼をする場合は、おおまかに以下の費用が発生します。
内訳 | |
---|---|
費用 |
合計:60,000円~70,000円程度 |
時間 | 実働:1日~ 廃車完了まで:約2~3週間 |
ディーラーに依頼すれば、レッカー移動から解体処理、還付金の手続きなども、全て代行してくれ、運輸支局に出向く手間もありません。
ただ、ディーラーは販売に係る業務の方が優先度は高いため、店舗の営業状況によっては廃車完了までの日数が多少延びることがあります。
廃車を急ぐ場合は、事前に確認しておいた方がよいでしょう。
廃車買取業者に依頼する場合
廃車買取業者に廃車依頼をする場合は、おおまかに以下の費用が発生します。
内訳 | |
---|---|
費用 |
合計:0円 収入として、車の買取金額あり |
時間 | 実働:1~2日 廃車完了まで:約1~2週間 |
廃車買取業者は、レッカー移動から解体処理、還付金の手続きなども全て無料で代行してくれます。
さらに、ディーラーや中古車買取店などで値が付かなった車でも買い取ってくれますので、廃車をするとお金がもらえることがほとんどなのです!
廃車買取業者に手続き代行してもらうときの流れ
廃車を行う際は、様々な手間が省けてその上お金まで入ってくる廃車買取業者に手続きを依頼するのが一番楽でお得な選択のようですね。
では、実際に廃車買取業者に手続きを代行してもらうとき、どのような流れで廃車できるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
どの廃車買取業者に依頼するか選ぶ
まずは、廃車を依頼する業者を選びます。
特徴や口コミ、そして公式サイトのサービスを見て、良さそうな業者に自分の車がいくらで買い取ってもらえるのか査定してもらいましょう。
少しでも高く買い取ってもらえる業者を選びたい場合は、何社か見積もりを出すことで、最高値で買い取ってもらう会社を選ぶことができますよ!
査定は無料ですし、電話上で「成約」をしなければキャンセル料もかかりませんので、廃車するときも相見積もりを取るのはおすすめです。
最終的に選んだ1社と成約したら、車両の引取日などを打ち合わせします。
必要書類を準備する
廃車手続きをする際はいくつかの書類が必要で、それらは自分で準備する必要があります。
注意しなければいけないのは、普通自動車や軽自動車か、また故人の車を処分するなどのケースによっても必要書類が変わってくるということです。
書類については廃車買取業者がサポートしてくれますので、詳細は業者に確認しておきましょう。
車を引き取ってもらう
必要書類の準備が整ったら、車の引き渡しです。
引き渡しは、レッカー車などで指定の場所に取りに来てもらえて、引取り費用はかからないことがほとんどです。
ただし、業者によっては指定場所の周辺道路が狭い場合は積載作業料を別途請求するところもあります。
依頼する業者にしっかりと確認しておきましょう。
また、引取りの日には車と一緒に必要書類を業者に渡します。必要書類は、できるだけこの日までに揃えておくといいですよ。
入金を確認
必要書類を渡し、車を引き渡せば、買取金額を支払ってもらえます。
業者によって当日現金で支払われるケース、〇営業日以内に口座に振り込まれるケースがあるため、この点もしっかりと把握しておきましょう。
ただし、どちらのケースでも必要書類に不備があれば廃車手続きができませんので、入金もその分遅くなってしまいます。
もし、書類・車引き渡し後になかなか入金がない場合は書類に不備があることも考えられますので、業者に問い合わせてみると良いですよ!
自動車税の還付手続き
自動車税は、毎年4月1日の時点で車の名義を持っている人に課税される税金のことです。
車の使用に関係なく、名義を持っていれば課税されるため、廃車すれば自動車税の還付を受けることができます。
通常、廃車手続きが完了すれば、1~2カ月程度で自動車税の還付通知書が届きます。
これを持って金融機関へ行き、還付金を受け取りましょう。
還付通知書を金融機関の窓口に提出すれば、現金で還付金を受け取れますが、その際には印鑑や身分証明書が必要です。
業者によっては「還付金は買取金額に含まれている」ところもあります。この点もしっかり確認しておきましょう。
注意点
自動車税の還付手続きについて、注意すべき点が2つあります。
廃車する時期で還付金が異なる
還付金額は、廃車の翌月から翌年の3月までの残りを月割り計算して返金されます。
自動車税は4月から翌年の3月まで、1年分まとめて支払っているため、残った分が還付の対象です。
そのため3月に廃車した場合、1年間の課税対象期間が満了しているため還付金は発生しません。
また還付は1カ月単位で計算するため、1日でも翌月にまたがってしまうと、金額は1カ月分減少します。
月末に手続きをおこなう場合は、当月中に手続きが完了できるよう素早く行ってもらいましょう。
軽自動車税は還付金がない
自動車税は廃車の方法に限らず還付されますが、普通自動車に限られます。
軽自動車は、税額が自動車税と違って低額なため、廃車しても還付は受けられません。
また、軽自動車も自動車税は1年分をまとめて支払っているため、軽自動車を年度の最初に廃車すると、1年分の自動車税を損してしまいます。
少しでも損をしたくないという場合は、3月末に廃車するとよいでしょう。
廃車手続きについてのまとめ
今回は、廃車する際の手続きの流れや必要書類、実際にかかる費用について、
- 自分で行う場合
- ディーラーに依頼する場合
- 廃車買取業者に依頼する場合
こちらの3パターンに分けて詳しくみてきました。
廃車手続きは、無駄な時間や費用をかけたくないという人には、断然廃車買取業者の利用がよさそうですね。
ただ、業者によって細かなサービス内容は異なるため、業者選びは念入りに行った方がよさそうです。
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